■遠藤の仕事を引き継いだカナダ戦
4-1-4-1でスタートしたカナダ戦では遠藤がアンカーに入り、田中が左のインサイドハーフを担った。右インサイドハーフは南野拓実(モナコ)だったが、左右のバランスとしては守備の時に田中が後に下がり、南野が前に出て1トップのFW浅野拓磨(ボーフム)と前からボールを追ったり、少し下がってカナダの1ボランチであるサミュエル・ピエットにマンツーマンで付いたりしていた。そして相手のPKをGK大迫敬介が止めて難を逃れた後は4-2-3-1になり、田中が2ボランチで遠藤と並ぶ形から、攻撃で前に出ていく8番的な役割を継続した。
そのカナダ戦で、後半16分から遠藤との交代で投入された伊藤敦は4−0とリードしていた状況で、そのまま遠藤の仕事を引き継ぐような役割となった。ゲームコントロールを主なタスクとして託されたという伊藤敦。10分間ほどは10月シリーズのトルコ戦でも組んだ田中とのコンビだったが、後半27分に田中との交代で川辺がイン。これまで練習でもあまり経験していないコンビだが、所属クラブでインサイドハーフが定位置となっている川辺の方が前目に出ることが多く、伊藤敦は浦和レッズでいう岩尾憲のような仕事がメインのまま試合をクローズする役回りだった。
「個人としては難しい内容になってしまったというか。課題が残る試合になってしまった」
そう振り返る伊藤敦は「守備の部分でうまくはめに行けなかったですし、個人のところでもフィジカル的にもそうですし、ボールを奪う距離感だったり、間合いとかも改善していかないといけないなと思いました」と自分の課題をあげた。
(取材・文/河治良幸)
(後編へ続く)