■「ユースの時よりもしゃべります」
しかも、ただ会話が続いているだけではない。それぞれが胸に抱える苦しさや悩みも含めて、やり取りをしているという。
「心情も話します。今どう思ってるかも普通に話したりとかもします。(苦しいことも)お互い喋りながらやれてるかなと思います」
「ユースの時よりもしゃべります。同い年があまりいないんで、2人でしゃべる時間はより増えました」
どちらが聞き役とか話し役というのもなく、「どっちもけっこうしゃべります」。ライバルでもある相手に悩みを話されても答えにくさはないかと聞いてみてもそれを否定し、「素直に答えてますね」とも言う。山田と宮代は、ライバルであり親友という稀有な関係を築いている。
リーグ戦は残り3試合で、ACLも同じく3試合、そして天皇杯は決勝戦が残るだけ。つまり、今季は7試合しか公式戦が残っていない。
「本当に残り少ないんで、このまま終われない。天皇杯もあるのでしっかり存在感を出していきたい」
こう語る山田は、「パトゥムまで4日間ぐらいあるんでで、しっかりアピールしたい」と話し、まずは目の前の試合に出ることに集中している。この日もいつも通り遅くまで居残り練習していたが、その秘めたる闘志をピッチで爆発する日は近いうちにまたやってくる。
(取材・文/中地拓也)