■「BGで上げてくれないかなと思って」

 その男性サポーターを仮にMさんとする。川崎華族のメンバーであり、チームを熱くサポートしている。そのMさんはチャナティップを応援しており、横断幕とフラッグを作った。

「チャナティップが在籍しているときは、幕を毎試合掲げて応援してたんですけど、移籍しちゃったことで、自分が持っててもしょうがないなと思って。チームカラー的にも(パトゥムは川崎と同じ)ブルー系だからというのもあって、BGで上げてくれないかなと思って、ちょっとお話させてもらったら、快く受け入れてくれて」

 そう、Mさんは横断幕の譲渡を提案したのだ。異国でプレーすることとなった選手の後押しに少しでもなれば。その思いを、チャナティップが所属するチームのサポーターに話をつなげてもらうと、先方からは喜びの返事が来た。

 Mさんは「タイ人選手がフロンターレに入ってくれないかなってすごい思ってて」とかつてを振り返る。個人的にタイがすごい好きで、しかも、チャナティップのプレーが昔から好きだったという彼が、「誰かタイ人が来てくれないかなと思ったら、もう一番嬉しいチャナティップが来てくれたから、新体制の時に“ウォーー!”ってすごい喜んだ」と話す表情は少年のようだった。

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