■「僕が周りの人の特徴を理解してあげる段階に来ている」

 足踏み状態が長く続いた久保の代表初ゴールは2022年6月のガーナ戦(神戸)。本人は「もう一生取れないかもしれない」と危機感を募らせていただけに、安堵感は大きかった。「1つ取れればどんどん行ける」と目を輝かせたが、そこからゴール量産とは行かなかった。

 カタールW杯本番もドイツ・スペインの2試合に先発したものの、守備に忙殺されるだけ。肝心のクロアチア戦は高熱が出てピッチに立てずじまい。第1次森保ジャパンの久保は最後の最後まで歯車がかみ合わずに終わったのである。

 そして新体制移行直後の3月シリーズも、コロナ陽性疑いで最初のウルグアイ戦(東京・国立)を欠場。コロンビア戦(ヨドコウ)では何とかピッチに立ったものの、どこか空回りした印象が拭えなかった。

 その後、6月シリーズ以降はコンスタントにピッチに立ってはいるものの、トップ下では鎌田大地、右サイドでは伊東純也の控え、インサイドハーフでは守田英正スポルティング・リスボン)らボランチの面々がメイン起用される状況に。どうも久保の立ち位置は中途半端なままだ。初キャップから4年4カ月も経過したのだから、本当にここでもう一段階序列を引き上げ、一気に突き抜けるべき。

 今季のレアル・ソシエダでのパフォーマンスを見ていれば、それが十分にできる選手に成長したと断言していいはずだ。

「今度(のW杯予選)は僕が周りの人の特徴を理解してあげる段階に来ていると思う。僕ばっかり周りに生かしてもらうんじゃなくて、自分も周りの選手を生かせるレベルにあると思うんで、それを目指していきたい」と11日の練習後にも代表常連組の強い自覚をのぞかせた。

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