■「一番やりたいところで使ってもらえたら、あのくらいできる」
となれば、鎌田不在の今回もトップ下がファーストチョイスと見られる。もう1人のトップ下候補者である南野拓実(モナコ)の動向も今回、大いに注目を集めているが、今季レアル・ソシエダでスペイン1部・8試合5ゴールという凄まじい実績を残している久保の方が今のところ代表序列的には上。
クラブで超過密日程を強いられ、今回の全体練習に合流したのも11日からということで、本人も「正直、きついですよ」とコンディション的に厳しいことを認めていたが、森保監督は久保を軸に据えるのではないだろうか。
とはいえ、本人はレアル・ソシエダと同じ右サイドに強いこだわりを見せている。
「今はチームでも右のウイングで出ているので、僕のファーストチョイスというか、一番力を発揮できるのは右だと思います」と本人は9月シリーズで強調。「『ちゃんと自分が一番やりたいところで使ってもらえたら、あのくらいできるよ』というのは、僕が前から思っていたこと」という発言していて、代表でも右でプレーする気満々なのだ。
右サイドならトップ下よりもマークが手薄になる場面が増え、彼のシュート力や決定力がより生かされるという利点はありそうだ。ここまで27試合2ゴールという代表実績は久保のポテンシャルを考えると物足りない。彼が今後、ゴール数を伸ばし、本田圭佑や香川真司(C大阪)のように30ゴール以上の数字まで引き上げたいと思うなら、右での出場時間を増やすのが一案かもしれない。
伊東純也(スタッド・ランス)という絶対的存在との棲み分けは難題ではあるが、「自分自身が右で出るメリット」が何なのかを明確に示すことが重要だ。そこを全力でアピールしていくことが、久保が理想に近づく第一歩と言える。
(取材・文/元川悦子)
(後編へ続く)