■敗戦より注目すべきこと
それに対して、日本は男子サッカーにはU-22代表で参加した。しかも、AFC U-23アジアカップ予選に出場した主力選手は招集しなかったのだ。もちろん、パリ・オリンピック世代でありながらA代表の主力である久保建英も参加しない。つまり、日本はU-22代表のセカンドチームだったのだ。チームとしても、ほとんど準備期間なしの寄せ集めでの戦いでもあり、モチベーションとしては、パリ・オリンピック代表入りに向けてのアピールの場といった意味でしかなかった。
韓国では、このところ日本相手に敗戦続きだったこともあって、アジア大会でのサッカー韓日戦は全キー局が並びで実況放送を行うなど大変な注目を集めたらしいが、日本でこの試合に興味を持った人が果たしてどれくらいいただろうか?
熱心なサッカー・ファンの間でも、この日は日韓戦よりJ1昇格を懸けた静岡ダービーの方が関心を集めたのではないだろうか(僕自身も、日本平まで行っていたため、急いで帰宅したものの試合開始に間に合わず、日本の先制ゴールを見逃してしまった)。
まさに究極の「非対称戦」だった。
むしろ、そういう“寄せ集めチーム”が試合ごとにチーム状態を上げて決勝進出を果たし、韓国相手にも接戦を演じた事実の方が驚くべきことだ。