【清水GK権田修一が静岡ダービーで感じたJ1昇格への心得(1)】「最後に体を張る」気持ちの重要性について、磐田戦で「これがスタンダードだよという部分を作れた」の画像
静岡ダービーで気迫を見せた清水エスパルスのGK権田修一 撮影:中地拓也

 清水エスパルスジュビロ磐田の静岡ダービーは、ホームの清水が、前半に乾貴士があげたゴールを守り切り、1−0の勝利を飾った。これで2位と3位が再逆転。FC町田ゼルビアが首位を走る状況で、自動昇格に向けて清水が大きなアドバンテージを得たのは間違いない。

 乾のゴールも含めて、清水は局面の攻防を含めて、トータルのクオリティで磐田を上回っていたが、こうした大一番で、前半41分の先制から1−0でリードする時間が長くなれば、終盤は守る時間が長くなる。後半の途中から清水は右サイドハーフの中山克弘を下げて5バックになり、守りながらカウンターを狙うという形に切り替えたこともあり、ボールポゼッション、シュート本数ともに、わずかながら磐田が上回ったが、試合終了までその集中が途切れることはなかった。

「もうみんな集中して守れてたんじゃないかなと思いますし、やっぱり、ああいう全員が体張る姿勢というのはチームが勝つために必要なんじゃないかなと思います。それができたから抑えられたのかなと」

 そう振り返ったのはGK権田修一だ。カタールW杯で日本の躍進を支えた守護神も「いっぱいいっぱいじゃないですか」と終盤の心境を語る。こういう上位対決のダービーで、1点差を争う終盤になってくると、メンタル的なところも重要な勝負のファクターになってくることを改めて認識する試合になったようだ。

「逆にこのレベルで余裕を求める方が……本当に最後、魂とか。もしかしたら綺麗にサッカーすることとかシステム論とか大事かもしれないですけど、最後に体を張ること。1本投げ出すとか、そういうところが出るのは気持ちの部分なので」

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