現在、世界のクラブでトップを競っているのがレアル・マドリードだ。率いるのは、カルロ・アンチェロッティ。カルチョの国が生んだ名将だ。今から20年以上前、蹴球放浪家・後藤健生は若きアンチェロッティにインタビューしていた。
■若き日のアンチェロッティ
さて、アンチェロッティのインタビューは4月20日ということになりました。昼過ぎから練習場で練習を見学。一般のファンも含めて、見学は自由でした。
見ていると、選手たちが高級車に乗って次々とやって来て駐車場に車を止めていきます。
するとアンチェロッティ監督が現われて、選手を捕まえて「この車はいくらくらいするんだ。使い心地はどうだ?」などと、根掘り葉掘り訊いています。おそらく、これから自動車を買い換えようと思っていたのでしょう。
この会話を聞いていると、監督と選手というよりは、仲間同士といった雰囲気でした。当時のアンチェロッティは現役引退から8年弱。まだ40歳の若さでしたし、現役時代に一緒にプレーした選手もいたのでそんな雰囲気だったのでしょう。
現在の「威厳溢れる大監督」といった雰囲気とはまったく違いました。パルマでもユベントスでもチームをセリエA準優勝に導いてはいましたが、まだまだ若手指導者だったのです。