サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト・大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回のテーマは、サッカー選手の勲章である「こだわりの帽子」。
■生誕地はイングランド
またまた「帽子」の話である。8月には「ハット」の話を書いた。今回は「キャップ」の話である。
どちらも頭にかぶる「帽子」であるが、一般に「ハット」といえばぐるりと全体に縁のある帽子であり、「キャップ」といえば、野球帽に代表される前部に「つば」のある帽子ということは、日本語でもまあ理解されているのではないかと思う。そしてまた、サッカーに少し詳しい人であれば、「キャップ数」とは「代表試合数」を表すことも知っているに違いない。
さらに、この言葉の生まれの由来も比較的よく知られているのではないか。始まりはもちろん「サッカーの母国」イングランドである。国際試合に出場した選手に対し、対戦相手名と対戦の年を「つば」の部分に刺しゅうした「キャップ」を贈る慣習があったことから、国際試合の出場数を「キャップ数」で数えるようになったという。