■「個で戦えるようにしないといけない」

 アルゼンチン戦では4ー3ー3にトライし、ボールを動かしながら引いた相手を崩す攻撃というイメージアップできた。チームとして、また1つ引き出しが増えたことで、アジアの戦いにプラスに働きそうだが、パリ五輪でメダル獲得、さらに次のW杯で世界を取りに行くには組織やコンビネーションで相手を困らせるだけでは足りない。

「チームをもう1つ成長させるためには、チームとしての戦い方もそうですけど、やっぱり個で戦えるようにしないといけないです。厳しい試合が続いていく中で、何かチームにとって頼れる存在でありたい。まずは自分自身と向き合って、少しでもチームの力になれたらいいですし、厳しい時にパスが来て、こいつに渡せば何かやってくれるというぐらいの信頼を得られるように。しっかり成長できたらなと思います」

 彗星のごとくW杯のゴールデンブーツを獲得した”なでしこジャパン”のスーパーヒロインが、ここからイングランド・スーパーリーグやUEFA女子チャンピオンズリーグで輝き、”個の力”を代表チームに還元していけるか。そして彼女の世界での挑戦が、WEリーグやアンダーカテゴリーから”なでしこジャパン”を目指す女子選手たちの指標になって行くだろう。

(取材・文/河治良幸)

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