【なでしこの“新海外組”宮澤ひなたの挑戦(2)】アルゼンチンに大勝してなお感じた「やっぱり個で戦えるようにしないといけない」の意識。「チームをもう1つ成長させるため」の画像
宮澤ひなたは杜の都から今夏、マンチェスター・ユナイテッドに羽ばたいた 撮影:中地拓也

 アルゼンチンに8−0と大勝し、池田太監督が率いる”なでしこジャパン”は順調なリスタートを切った。次の大目標は来年夏に行われるパリ五輪でのメダル獲得だが、その前に厳しい予選が待つ。アジアからパリ五輪に行けるのは2カ国だ。

 10月に行われる二次予選はベトナム、ウズベキスタン、インドと同じ組で、1位なら無条件で最終予選に、2位の場合は3組で最も成績が良い場合に進出となる。FIFAランキングを見ると日本は8位で、ベトナムが34位、ウズベキスタン50位、インド61位で、かなり”なでしこジャパン”は格上となるが、会場がウズベキスタンということもあり、簡単にはいかないと見られる。

 しかも、最終予選は来年2月に4カ国を2つに分けてホーム&アウェーを行い、それぞれの勝者にパリ五輪の切符が与えられる。つまり、組み分け次第では相手がW杯ベスト4のオーストラリアや実力的には世界上位の北朝鮮と本大会をかけて戦う可能性もある訳だ。

「本当にアジアの戦いはすごく難しいなというのはあるので。ヨーロッパの選手とはまた違うというか、引いて守るチームもあると思うし、体格的にも感覚的にも似たところがある。2枠を争っていく中で、合わせる時間は短いですけど、勝っていかなければいけない」

 そう語る宮澤だが、もちろん”世界の頂に”という思いがあるからこそ海外、しかも欧州トップレベルと認められるイングランド挑戦を決断したのだ。スピードでは絶対に負けたくないという宮澤にとっても「(厳しい環境が)当たり前の世界になっていく中で、自分が感じなくても基準的に上がって行って、常にそのレベルでやれるのは嬉しい」と言うように、日々が成長の糧になっていく。

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