■鎌田との兼ね合い
しかしながら、今季はザルツブルクに赴いた2015年1月からの半年間、師事したアドルフ・ヒュッター監督がモナコ指揮官に就任。南野の特性や長所をよく理解している恩師が2シャドウの一角で使ってくれたことでパフォーマンスが激変。今季開幕からの3戦で3ゴールと大ブレイクしているのだ。
この活躍ぶりを見れば、森保監督が彼を呼び戻さないという選択肢はないだろう。6月シリーズの26人のうち、ケガの旗手怜央(セルティック)、国内組の伊藤敦樹(浦和)、川崎颯太(京都)らが外れると考えれば、枠は空くだけに、再招集が濃厚と言える。
その場合、1つのテーマは南野の起用法。3月は4-2-3-1、6月は4-3-3をベースに戦った日本代表だが、旗手不在を視野に入れると今回は4-2-3-1に戻す可能性が大。そうなると南野のポジションはトップ下か1トップのいずれかだ。新天地・ラツィオに赴いた鎌田大地がクラブでお膳立ての仕事をメインにしているのを見れば、鎌田をボランチ、南野をトップ下に入れるのも興味深いアイディアかもしれない。
ただ、ドイツ・トルコという強度の高い相手との対戦を考えると、やはりボランチは守備力の高い人間を並べなければいけない。となれば、鎌田はトップ下が有力。南野は鎌田のサブ、あるいは一枚上げて1トップに抜擢されることも考えられそうだ。
いずれにしても、今の彼は使わなければもったいないくらいのキレがあるし、頭抜けた決定力を披露している。そういう旬の人材をどうチームに組み込むか。改めて森保監督の手腕が問われそうだ。
(取材・文/元川悦子)
■後半へ続く