9月19日、川崎フロンターレはACL初戦としてスルタン・イブラヒム・スタジアム(マレーシア)でJDT(ジョホール・ダルル・タクジムFC)と対戦。独特の空気に包まれたスタジアムで、1-0の勝利を収めた。(前編からの続き)
このスタジアムは、たとえば試合前に鬼木達監督が「独特の雰囲気」と表現していたように、実際、Jリーグとは違った空気に満たされていた。JDTサポーターが繰り出すチャントのリズムも違えば、Jリーグとは異なるタイミングで観客席からブーイングが発せられる場面もあった。
当然、判定を巡って特にJDTの選手や監督が熱くなり、川崎の選手への強い当たりが起きる場面もあった。判定に不満を持った敵将・エステバン・ソラーリ監督がなぜか鬼木監督に対して激昂して詰め寄ろうとし、スタッフに止められた場面もあった。
いつもピッチ横で熱く指揮を執る鬼木監督も、いつも以上に声を張り、そして力の入る表情となる場面が多かった。それについて指揮官に尋ねると、「もう1回ACLというものを考えたときに、自分自身の反省というか…」と、意外な言葉を使っての説明があった。
「勝手に自分の頭の中で“最低でも勝点1”で、“ホームで勝てば”とかそういう頭がどこかにずっとあったんですけども、やっぱりそういうことじゃないんだろうなと。
もちろん最低限って意味では勝点1を拾わなきゃいけないけれども、そこを最初に考えるのではなくて、やはりこのグループリーグを突破するっていう意味では、何が何でもやっぱりこの一発目を、初戦を勝つことが有利に進められるっていうことを、もっと自分自身が意識しなきゃいけないって思いが非常に強くなってきました」