■トランジットの不測の事態
試合前に指揮官は、昨年も経験していることのメリットを話しており、この質問の前にも、「いろんな意味で初めて受けるストレスとかそういうものはなかった」と話していた。国内からのフライトで2時間以上の遅れが生じたことで、チームはジョホールバルへのトランジットができない可能性が高かった。
しかし、ジョホールバルへ向かうフライトがチームを待っていたことで、なんとかトランジットを終えることができた。帯同していたチーム関係者が、「人数も荷物も多い大口だったからですかね?」と話すラッキーもあったが、そうした事態にあってもチームが動揺しなかったのは、“知っている場所”だったことも大きい。
また、鬼木監督が「それも含めてACLっていう覚悟は僕らもしてますし、選手も分かってる」と話す覚悟も裏にはあった。
■鬼木監督「Jリーグで勝ってきてるときのような」
川崎は前半終了間際にマルシーニョのスーパーゴールで1点を奪取。その後、ホームチームは逆転に向けて攻勢を強める。特に試合終了間際は、JDTのゴール裏から発せられる独特のリズムの応援もあって、観ている人はハラハラするような展開だった。
鬼木監督はFC東京戦で勝てた心の余裕がこの終盤にも表れていたと、次のように続ける。
「ああいう最後の難しい時間もね、難なく自分たちがJリーグで勝ってきてるときのような(メンタルで挑めた)。時間の使い方もそうですし、戦い方もそうですけど、そういうものが現れたので、やっぱり一つ勝ったことが、大会が違いますけど連勝というものの原動力になったのかな」
そして、ACLにおけるアウェイ戦への捉え方についても、大きな気持ちの変化があったという――。
(取材・文/中地拓也)
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