画像・写真:「自分のせいで勝ち点2を失った」崩れ落ちた18歳FW、顔をおおう期待の星に“鹿島らしさ”を見せた「背番号40」エースと濃野公人、涙を拭いた徳田誉「新たな決意」【鹿島アントラーズvsガンバ大阪】激闘PHOTOギャラリー 原壮史 J1 鹿島アントラーズ ガンバ大阪 Jリーグ 2025.10.07 この試合以外のJ1は前日に消化済み、という日程の今節。勝ち点64で首位に立つ鹿島は、2位から4位が勝ち点60で並んだという結果を知っている状況での試合となった。 試合は鹿島が立ち上がりのチャンスを決めきれず、そのままガンバのペースに。イッサム・ジェバリが低い位置でボールを収め、そこから安部柊斗や満田誠が展開を作り出すと、山下諒也の裏への飛び出しで鹿島を脅かした。(20251005)撮影/原壮史(Sony α1使用) 鹿島はチャヴリッチと鈴木優磨がワイドなポジショニングでなんとか活路を見出そうとするが、スコアを動かすことはできないまま前半を終えた。(20251005)撮影/原壮史(Sony α1使用) 後半、中盤の五分のボールを巡って激しい戦いが続くと、ガンバは60分に宇佐美貴史、デニス・ヒュメット、美藤倫の3人を投入。わかりやすく強度を上げ、再び試合の主導権を奪った。(20251005)撮影/原壮史(Sony α1使用) 鹿島は66分、72分と選手交代で立て直しを図るが、なかなか圧が強まらない。それでも、GKの早川友基を中心に粘り強い我慢の守りを続けた。(20251005)撮影/原壮史(Sony α1使用) そんな流れを変えたのは、81分に最後の交代枠で投入された荒木遼太郎。アタッキングサードへの進入地点で寄せに負けることなく前を向くと、チームとしてゴールへのルートを作り出すようになっていった。我慢の展開を見守っていた満員のホームスタジアムは一気に盛り上がり、終盤の猛攻を後押しし続ける。 そして90+1分、右サイドから執拗にボールを入れたことがガンバのハンドにつながり、PKを獲得した。 荒木がボールを持ったものの、チームの決定でキッカーは徳田に。前節の名古屋戦で途中出場ながら圧巻の2ゴールを記録した18歳は、ものすごいプレッシャーの中でも落ち着いて低いボールを蹴った。(20251005)撮影/原壮史(Sony α1使用) しかし、これはガンバのGK・一森純が読み切ってストップ。 セカンドボールに反応できないほどガックリと肩を落としてしまった徳田に、三竿健人がすぐさま駆け寄って厳しい表情でその態度を正させた。(20251005)撮影/原壮史(Sony α1使用) プレーに戻った徳田は結果で挽回すべく最後まで走ったが、試合は0-0のまま終わりを迎え、タイムアップの笛とともに崩れ落ちた。三竿と知念慶に引き起こされ、再び三竿から言葉をかけられたが、試合が終わってしまったことで、悔しさから顔を上げることができなくなってしまった。 すると、ユニフォームで顔をおおったままサポーターへのあいさつへ向かう徳田に、鈴木が近づく。鹿島らしさを継承し、体現する背番号40は、声をかけながら、そのユニフォームをつかむと、引き下げて顔を出させた。 大きな期待があるからこその厳しさであり、また、優勝へ向かっている鹿島でプレーするということの意味をも示しているような一幕だった。(20251005)撮影/原壮史(Sony α1使用) 徳田はなんとか顔を上げようとするものの、どうしても感情が込み上げてくる。何度もユニフォームで顔を覆いながらピッチを周回し、目元を押さえながらなんとかホームゴール裏へのあいさつを済ませると、彼は再びユニフォームで顔を覆った。(20251005)撮影/原壮史(Sony α1使用) それを見ていた濃野公人が手でカメラと視線を遮ってあげたが、徳田は涙を拭ききると自ら顔を出し、再び感情が込み上げてきてしまうまでのわずかな時間ではあったものの、次節の神戸戦へ向けたチャントを歌い始めたゴール裏を視界に収めた。文字通りの、見返してやる、というその表情には、もう鹿島らしさがあった。 「自分のせいで勝ち点2を失った」と自らの言葉でのコメントも残した徳田。鹿島の未来を背負うことを期待される18歳は、1試合でも早く結果でその勝ち点を取り返すことに集中している。神戸、京都、柏に勝ち点5差とした首位・鹿島は、ここから神戸、京都と2節連続でアウェイの地での直接対決に臨む。(20251005)撮影/原壮史(Sony α1使用) 写真の記事へ戻る