現在、川崎フロンターレは8年ぶりとなる3連敗の中にある。26日に行われる北海道コンサドーレ札幌戦(等々力)では何よりも勝利が求められるが、そんなチームにあって頼れる存在となるのが小林悠だ。
札幌キラー。そんな愛称を持つほどに、次戦の相手とは相性がいい。これまで幾多のゴールを決めてきたからこそ26日の試合でも得点に期待がかかるが、直近2試合で出番がない。どちらの試合も1点差での敗戦で得点が欲しい状態であったにも関わらず、ベンチ入りしていた小林はピッチに立つことができなかった。
それでも広島戦後、3連敗にうなだれるチームメイトを鼓舞して回ったの。選手がサポーターに挨拶に向かう際、小林はビブスを着たままそれぞれの選手に手を差し伸ばしながら歩いた。
8月22日の練習後、小林にその気持ちを聞いてみた。こういうベテランがいたらというのを体現している瞬間に感じた、と。
本誌記者のその問いかけに、小林は次のように言葉をつないだ。
「試合が終わった時点で一番悔しかったのは自分ですけど、チームのために何ができるかって考えたときにやっぱり選手みんなにしっかり切り替えようっていう話を(したかった)。
声を掛けることだったり、みんな悔しいですけど、しっかりみんなと手を取り合って、こういうときだからこそ一つになってやらなきゃいけないと思うんで。そこはベテランだからっていうか、チームが勝つために今自分は何をすればいいのかなって思ってそういう行動に出ただけです。みんなそうだと思うんですけど、そこは、当たり前のことをしただけかなと思います」
ベテランだからしたわけではなく、勝つために当たり前のことをした――。チーム一筋のストライカーから出てきた答えはとてもシンプルで、そして、心強かった。