【J2「真夏の昇格争い」】清水エスパルス、FW鈴木唯人の超巧妙“タイミングずらしシュート”で勝利もGK権田修一が語った反省点「決めるべきところを決める」【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
高いテクニックで決勝点を奪った清水FW鈴木唯人  撮影:中地拓也
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■フランスから復帰の鈴木唯人が先制弾!

「超攻撃」が、しぶとく勝利している。

 J2リーグ第29節が8月5、6日に開催され、4位の清水エスパルスは3位の東京ヴェルディと対戦した。秋葉忠宏監督が「超攻撃的」のスタンスを掲げる清水は、勝点3差で東京Vを追いかけており、この試合に勝利すれば得失点差で3位に浮上する。

 前半はペースを握られた。東京VのMF森田晃樹が「前半は相手がこちらの中盤をつかまえきれてない感じがあった」と話したように、4-2-3-1で4-3-3の相手にどうプレッシャーをかけていくのかが、序盤からはっきりしないのだ。前線からのハイプレスが決まらず、アタッキングサードへの侵入を許した。CB井林章が、19分に負傷交代するアクシデントにも見舞われる。

 それでも、スコアを動かしたのは清水なのである。

 39分、右SB原輝綺が高い位置でパスを受け、ゴール前へ斜めのパスを差し込む。受け手のMF鈴木唯人は足元へ収めれなかったが、鈴木の背後でMFカルリーニョス・ジュニオがフィニッシュする。この一撃はDFにブロックされたものの、鈴木がこぼれ球を右足ボレーで巧みに流し込んだ。フランス1部のストラスブールから復帰した背番号23は、出場3試合目で嬉しい初ゴールだ。

 前半の清水は、この2本のシュートに終わっている。秋葉監督はスタジアムをオレンジに染めた清水のファン・サポーターに触れ、「6000人以上のサポーター・ファミリーが来てくれて、我々のホームかと錯覚するほどの後押し、声援、パワー、エネルギーみたいなものをくれたからこそ、前半のちょっと体たらくな、我々らしくないプレーをしたなかで、何とか棚ぼたの1点を取るまでこぎつけて見せた」と振り返った。

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