■「戦術通りに行く得点なんてほとんどない」

 浦和は8月は基本、週1回ペースの日程だが、9月に入るとYBCルヴァンカップ、J1、AFCチャンピオンズリーグACL)を掛け持ちすることになる。選手のやりくりも難しくなるため、そのあたりが安部の本格復帰の1つの目安になりそうだ。

 中断前のJ1・21試合で総得点27と得点力不足が懸念されるチームにとっては、彼と同日加入が発表された元日本代表10番・中島翔哉の決定力をいち早く強みにしたいところ。

 安部は「僕が点を取れたら個人的には嬉しいですけど、僕が入ってチーム全体の得点数が増える方がチームとしてはいいのかな」と話していたが、興梠慎三関根貴大大久保智明ら攻撃陣とは共闘するのが初めて。連携構築には少し時間がかかるという見方もある。

「でも結局、戦術通りに行く得点なんてほとんどないんですよね。局面打開だったり、ショートカウンター、セットプレーなど年間2・3点くらい。個人個人のアイディアとかが大事になってくると思います」と安部はそこまで入念にすり合わせなくてもやれると考えている様子だ。

 これから合流する中島とは2019年コパアメリカ(ブラジル)で一緒に戦った経験もあるため、2人で揃って新たな攻撃ユニットを持ち込むことも可能なはず。夏の新加入コンビで前線に迫力をもたらしてくれるようになれば理想的なシナリオだ。期待は高まる一方と言っていい。

(取材・文/元川悦子)

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