オーストラリアとニュージーランドで開催中の女子ワールドカップで、新たな歴史が刻まれた。韓国代表FWが、同大会史上最年少出場記録を更新した。
女子W杯は7月20日、ニュージーランドとオーストラリアを舞台に熱戦の幕が上がっていた。出場国が24から32に拡大された今大会では、初めての共催が実現。また、これまでなかった南半球での開催と、「初」が重なる大会となっていた。
その「初尽くし」の大会に、新たな記録が生まれた。史上最年少での出場記録が更新されたのだ。
歴史をつくったのは、韓国代表FWケイシー・フェア。16歳26日という若さで、世界一を争うピッチに立った。
正式な名前は「ケイシー・ユジン・フェア」。この同選手は、すでに韓国代表に「初」をもたらす歴史的な存在だった。
両親が出会った韓国で生まれたが、生後1か月で父の母国であるアメリカへと家族で移住。女子サッカー強国のアメリカでプレーしていたところ、その実力を認められ、生誕地であり母の母国である韓国代表の年代別代表へと招集された。U-17韓国代表としてプレーし、今年行われたU-17女子アジアカップでは得点も記録して、世界大会出場権獲得に貢献していた。
今年6月には、15歳にしてW杯出場候補の31名の中に選ばれ、注目を浴びていた。このメンバーには他に2人の10代の選手がいたものの、フェアのみが本大会の登録メンバーに入った。男子チームも合わせて、両親の一方だけでも国外にルーツを持つミックスの選手が入るのは、同国初のことだった。
コリン・ベル監督は今月5日の会見で、「まだ子どもであり、彼女を守ることは私の義務」と発言。高まる注目度を警戒しながらも、本大会の23人のメンバーにフェアを選出していた。
韓国は本大会ではグループHに入り、ドイツ、モロッコ、コロンビアと同居。25日に行われたコロンビアとの初戦で、早くもフェアを起用した。
韓国は前半だけで2点のリードを許し、苦しい展開を余儀なくされた。点差が埋まらないままの後半33分、ベル監督はフェアをピッチに送り出した。
その瞬間、記録が塗り替えられた。それまでナイジェリア人選手によって保持されていた16歳34日の記録をわずかに超えて、W杯最年少出場を更新したのだ。