サッカー女子ワールドカップが開幕し、日本代表はザンビアから5点を奪って好発進した。この初戦白星が持つ意味、この先の道のりにおける重要性を、サッカージャーナリスト・後藤健生がひも解く。
■「もっと取れたのではないか」
FIFA女子ワールドカップがいよいよ開幕。女子日本代表(なでしこジャパン)は、7月22日に行われた初戦でザンビア代表相手に5対0と完勝。大会初戦としてはパーフェクトに近い内容の試合だった。
もちろん、対戦相手のザンビアはFIFAランキングが77位。11位の日本にとっては明らかな“格下”だった。とくに、女子サッカーの場合は男子以上にランキングによる戦力差が大きい。
だから、勝利したこと、あるいは5点差をつけたこと自体は当然と言えば当然の結果だった。
もちろん、世界大会の初戦なのだから「勝利」、「勝点3」という結果こそが大事なのではあるが、それ以上に高く評価したいのは試合内容が非常に良かったことだ。
この試合を見た何人かの人から「もっと取れたのではないか」という意見を聞いた。
それは僕も同意見だ。
もし、日本が「その気」になって大量得点を狙う戦い方をしていたら、8点とか9点を奪っていても不思議はない。それくらいの戦力差はあった。
だが、そもそも、日本代表は最初から大量得点などを狙って戦ったわけではないのである。