■求められるマナー

 さて、横浜FCの三田が退場になった京都の「サンガスタジアム by KYOCERA」は、イングランドのクラブスタジアムのようにチームベンチが観客席に食い込む形で設置されており、「ベンチ横」にはスペースはない。しかし観客の視線を確保するためにタッチラインは観客席から少し離れている。天然芝のピッチはタッチラインの外1.5メートルまであり、そこから観客席までは幅5メートルほどの人工芝が敷かれている。

 京都サンガは、試合運営にあたり、この天然芝の境目のところにマーカーコーンを置き、そこまでの人工芝部分を「ウォームアップエリア」と指定しているようだ。すなわち、第1副審の「走路」は、天然芝の端まで、1.5メートルの幅があったことになる。

 だが、そのエリアの中からでも、交代出場に備えるために体を動かしているはずの交代要員たちが判定に対する異議を大声で口に出すのが良いこととは思えない。そして何のためらいもなくそのエリアを出てコーナー付近まで行き、副審に詰め寄るというのはどう考えても常軌を逸している。私は、それを昨年のワールドカップの悪影響のように感じるのだ。

PHOTO GALLERY ■【画像】カタールW杯と違い、十分にウォームアップのスペースが取られた南アフリカW杯の会場
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