大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第116回「『ウォームアップエリア』の怪」(3)新スタジアムに導入を検討してほしい「「牛の囲い場」」の画像
京都など各地で新スタジアムが誕生している 撮影/原壮史
■【画像】カタールW杯と違い、十分にウォームアップのスペースが取られた南アフリカW杯の会場

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト・大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回のテーマは、「どこにも規定がないって本当?」なアレについて。

■AFCの規定は?

 注目すべきは、アジアサッカー連盟(AFC)の「大会運営マニュアル」である。その2023年版を見ると、試合中のウォームアップとそのエリア、運用方法の関する6項目の明確な規定がある(第15条第2項)。以下に全文を記してみる(原文は英語、大住意訳)。

1 ウォームアップする選手はピッチ上の選手と明確に区別できるビブスを着用しなければならない。

2 ウォームアップを指導する役員は、GKを含むピッチ内の選手に指示を送ってはならない。

3 ウォームアップエリアの表面はピッチ内と同様のものとし、天然芝または高品質の人口芝が望ましい。幅は3~6メートル、長さは18~24メートルとすることを推奨する。

4 最も好ましいのは、ゴール裏に十分なスペースがある場合、それぞれのベンチに近いゴール裏にウォームアップエリアを置くことである。ここでは一時に各チーム6人の選手が動くことができ、2人までコーチがつくことができる。このようにゴール裏にウォームアップエリアを設置することができる場合のみ、GKに限ってボールを使うことを許される。

5 ゴール裏に十分なスペースがないときには、それぞれのチームベンチの横にウォームアップエリアを設ける。一時に6人の選手が動くことができ、2人までコーチがつくことができる。

6 もし左側のチームベンチの横に十分なスペースがないときには、最も好ましくない選択肢ではあるが、右側のチームベンチの横、第1副審の後ろで両チームいっしょにウォームアップを行う。この場合には、1チームあたり一時に3人の選手と1人のコーチまでが参加できることとする。またこの場合には、ウォームアップのための用具の使用は認められない。

PHOTO GALLERY ■【画像】カタールW杯と違い、十分にウォームアップのスペースが取られた南アフリカW杯の会場
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