■本大会を見据えた戦い方
“格下”のパナマとの対戦だったが、池田太監督は「中盤でブロックを組んで手堅く試合に入った」という。このあたりは、ワールドカップ本大会を控えた時期らしい指示だ。
グループリーグ最終のスペイン戦、そしてラウンド16以降の強豪相手の試合では1点を争う接戦の連続となるだろうし、“格下”(ザンビア、コスタリカ)との対戦でも、一発のカウンターで失点する危険はあり、慎重に戦って確実に勝点3を積み重ねることが重要になる。
こうして、慎重な入り方をした日本はすぐにゲームをコントロールすることに成功。ボールを保持して攻撃の形を作るのだが、選手たちの意識は少し慎重すぎたようで、なかなか決定機まではいけないまま時間が過ぎていった。
ボールは保持して、優勢に試合を進めているのだが、なかなか決定機を作れず、ズルズルと時計の針が進んでいってしまう……。こうした現象は、どんなカテゴリーのどのようなゲームでもありがちなことだ。
しかし、日本チームは次第にパス回しのテンポを上げて圧力を強めることに成功した。「相手のミスに乗じて」ではなく、自分たちの意思で試合のテンポを上げていったあたりは評価されていい。その中心となったのが、現在の女子代表の攻撃を引っ張っている長谷川唯と今大会で「10番」を託された長野風花の2人のセントラルMFだった。