7月9日に、J2の頂上対決が実現した。首位のFC町田ゼルビアと、2位の東京ヴェルディが激突したのだ。会場となった国立競技場には多くの観客も入り、試合は盛り上がった。この緊迫の一戦のポイントを、サッカージャーナリスト・後藤健生が探る。
■城福監督の指摘
試合後の記者会見で、東京Vの城福浩監督が町田の試合運びに対して苦言を呈した。
「町田は選手が倒れたりして時間を使ってきた。われわれは、アクチュアル・プレイングタイムを長くして戦おうとしている。そのあたりが、J1とJ2の大きな違いだ」
町田は徹底して勝負にこだわる。必要とあれば、プレーを止めて時間を浪費することも辞さないのだ。
東京Vとの試合でも、後半攻め込まれている場面が続く時間帯では、あちこちで選手が倒れて治療のための時間を使い、スローインで時間を消費し、また選手交代でもたっぷりと時間を使った。
城福監督はそのことを指摘したのであり、試合中にも相手が倒れてもプレーを続けるように選手に指示を送った場面もあった。
サッカーの質、あるいはサッカーのエンターテインメント性を高めるという意味では、こうしたいわゆる「時間稼ぎ」は控えるべきだろう。とくに、J1昇格を目指す上位チームには“志を高く持って”戦ってもらいたいものだ。