サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト・大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は「サッカーの法律」って何?
■サッカーを統括する組織
この地球上にあまねく広まっているスポーツ、それがサッカーであることに異論をはさむ人は多くはないだろう。
現在、人類が何種類のスポーツを楽しんでいるのか、それを正確に数えるのは難しい。2021年夏に行われた東京オリンピックでは、「競技」として46種類のピクトグラムが使われた。非五輪競技や、ある競技から派生した競技、さらには、さまざまな障がい者のための競技などを含めると、優に数百を超すのは間違いない。サッカーは、競技人口とファンの多さにおいてその頂点にある。
そのサッカーのルールを取り扱う団体が「国際サッカー評議会(IFAB)」という組織であることを知っている人も多いだろう。世界のサッカーを統括する唯一の組織は「国際サッカー連盟(FIFA)」であるが、そのなかの機関ではない、IFABはFIFAからは独立した法人組織であり、サッカーのルールに関する話し合いを行い、ルール改正を決議する。FIFAは、IFABが制定した競技ルールを使って世界のサッカーを統括しているのである。
IFABは5つの団体で構成されている、そのうち4つは、イングランド、スコットランド、ウェールズ、そして北アイルランドの各国サッカー協会である。そして残りのひとつがFIFAとなっている。