Jリーグが5月15日、開幕30周年を迎えて記念イベントを開催し、「J30ベストアウォーズ」の各賞を発表した。その中で、ベストゴールのテクニカル部門に選ばれたレオナルドのゴールが再び話題となっている。
1994年の夏に24歳で鹿島アントラーズに入団したレオナルド。加入直前にブラジル代表としてアメリカW杯にも出場していた“現役セレソン”の来日に、サポーターからは大きな期待が寄せられていた。その期待を上回るゴールが、1995年のニコスシリーズ(後期)、11月1日の第19節の横浜フリューゲルス戦での“リフティング弾”だ。
後半の38分だった。右サイドを抜け出した長谷川祥之に、左足での柔らかいパスを送ったレオナルド。そのまま駆け上がると、長谷川からの横パスをゴール前の中央、ペナルティーエリア線上で受ける。
ここから時間が止まる。相手DFの捨て身のタックルを左足アウトサイドでボールを浮かせて交わすと、懸命に戻ってきた相手守備陣を嘲笑うかのように、体を回転させながら左足インステップで3回、左太ももで1回のリフティングで翻弄し、地面にボールが落ちた直後の跳ね返りを左足ボレーで叩き、ゴール左上に突き刺した。
計6回、すべて左足での華麗なボールタッチ。カシマスタジアムのサポーターを熱狂の渦に巻き込んだ、まさに伝説のゴールだった。