■「すごく皆喜んでいましたと言ってくれて…」
この話には、続きがあった。公開されたインタビューで、柴崎が明かした。
訪問にあたり、柴崎はお土産を携えていた。クラブが用意してくれていたマスコットのスーペル・ペピーノ(スペイン語で「スーパーきゅうり」)のぬいぐるみを、クイズに正解した子どもにプレゼントしたというが、それでは足りなかったそうだ。
「(子どもたちは)30、40人いたんですけど、みんな欲しがっていたんですよ」
「その顔を忘れられずに、後日、30個くらい自分で買って送りつけたんです」
普段はクールな柴崎だが、ピッチ上でのプレーだけではなく、子どもたちの笑顔をもっと広げたかったのだろう。さらに話を続けると、柴崎はさらに違う表情を見せた。「先生が後日、すごく皆喜んでいましたと言ってくれて…」。そう話しながら、うれしそうに笑顔を見せたのだ。
試合中は高い集中力が表情からもうかがえ、好プレーを繰り出してたりゴールを決めても、口元をほころばすことはない。その冷静なMFの笑顔を引き出したのは、子どもたちとスーパーきゅうりのファインプレーと言えるかもしれない。
レガネスは現在、ラ・リーガ2部で22チーム中14位につけている。今季の1部昇格の可能性は消えてしまっているが、応援してくれる人々の笑顔のため、最後まで力を振り絞ることだろう。