浦和レッズの新たな「戦える選手層の厚み」と「がまん強さ」というメンタリティー【ACL制覇に近づいた浦和レッズとその先の未来】(2)の画像
浦和は着実に選手層の厚みを増している 撮影:中地拓也

 浦和レッズが、AFCチャンピオンズリーグACL)決勝第2戦に臨む。目指すは2017年以来のアジア王座だ。今シーズンここまでの歩みが、戴冠の期待とともに、その先の明るい未来の予感につながる。浦和のACL決勝とその先を、サッカージャーナリスト・大住良之が展望する。

■安定感を増した守備

 3月からのJリーグ7試合は13得点4失点。得点が多いとは言えないが、失点は非常に少ない。ACL決勝を今季最初のターゲットとしたマチェイ・スコルジャ監督が、自身の好むボールを保持しての攻撃的なサッカーに多少目はつぶっても、安定した守備の構築を急いだことが明確に見える。

 今季の浦和の守備の安定は、ノルウェー人センターバック、マリウス・ホイブラーテンの補強の効果が大きい。「Jリーグナンバーワンのセンターバック」と言っていいアレクサンダー・ショルツ(デンマーク)とのコンビで圧倒的な空中戦の強さと安定感をもたらした。ボールをもったときにミスがほとんどないホイブラーテンの加入により、DF間でのパス回しが安定したことは、試合を非常に落ち着いたものにした。

 もうひとつ挙げるとすれば、GK西川周作がさらに成長し、安定感を増したことだろう。シュートに対する反応では定評のあった西川だが、昨年来、ハイクロスに対する守備が非常に安定し、ピンチを招くことが少なくなった。昨年から浦和のGKコーチを務めているスペイン人のジョアン・ミレッ・コーチの指導のたまものだろう。ショルツ-ホイブラーテン-西川の「ゴール前三角形」の安定こそ、浦和の守備の大きなベースとなっている。

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