■元チームメイトへの「あの対応はダメだよ」
また、34分、浦和がカウンターを発動しドリブルで仕掛けた場面で札幌のDF中村桐耶が興梠を倒し“決定機阻止の判定”でレッドカードを提示された場面を振り返り「去年一緒にプレーをしたチームメイト。僕から言うのもあれですけど、あの対応はダメだよと言いました。あいつ自身も能力があり、これからの選手。飛び込むのではなく遅らせるのが第一だと思う。それを聞き入れてくれたので、これを機に成長していくと思っていますし、成長して欲しいですね」と、昨季、同じ釜の飯を食べた後輩にアドバイスを送っていた。
新型コロナウイルスの影響でゴール裏のみの声出し応援だった環境から全席声援を送れる環境となったのは埼玉スタジアムでは2020年2月以来のこと。赤く染まったスタンドからは途切れることなく声援が降り注いだ。
札幌戦ではスタジアムに駆けつけた38574人のサポーターが素晴らしい雰囲気を作り出し、試合終了のホイッスルが吹かれるまで、全方位からチャントと手拍子が響き渡った。この熱量について「声出しの雰囲気の中でプレーできたこと、改めて浦和は凄いと感じましたし、サポーターに支えられていると思いました」と感謝を口にした。
これで今季のリーグ戦2得点目を記録。プロ19年目の頼れる36歳の興梠はまだまだ輝き続ける。
(文/石田達也)