森保一監督率いる日本代表が、新たなスタートを切った。カタール・ワールドカップでもあと一歩まで迫ったベスト8以上の成績を目指して、森保ジャパンの2期目に入った格好だ。結果はウルグアイ代表(3月24日@東京・国立競技場)と1-1で引き分け、コロンビア代表(3月28日@大阪・ヨドコウ桜スタジアム)に1-2で敗れたが、この第一歩の実情はどのようなものだったのか、南米の強豪相手の2試合から、ベテランのサッカージャーナリスト・大住良之と後藤健生が解析する。
■「失われたもの」とは
――第2次政権で積み重ねを狙う一方、大住さんが指摘された「失われたもの」とは、どのような点ですか。
大住「攻撃でのコンビネーションだよね。3人くらいが絡んでスペースをつくり、お互いを活かしていくようなテンポの良いパス回しが日本の良さだと思う。そういうものをこれまでのどんなチームも持っていたし、2018年の森保ジャパンの初戦でも、たくさん出ていたんだよね。今回はそういうものがほとんどなくて、特にコロンビア戦では悲惨なくらいに欠けていた。逆転された後、パワープレーというか無理して攻めにいっていたけど、その時なんて本当にちぐはぐで、バラバラ。一人ひとりがまったくかみ合わないサッカーになっちゃった。これまでと同じ選手たちでプレーしていても、一つの掛け違いでこうなってしまう。サッカーって難しいな、と思うよね」
――何が原因だったのでしょうか。
大住「森保一監督はチャレンジと言っていて、速く攻められない時はビルドアップしようとしているんだけど、DFとボランチあたりでボールを回している間に、前線はすっかり足が止まっちゃって、いきなりパスが来てもちゃんと受けられない。そういうところから始まっていると思うんだけど、攻撃のつながりというか、2、3人の関係がまったくできなかったのは、大きなショックだった」