■感じさせた期待感

 一方で成果も十分にあった。

 まずは「経験がないため失点したらバタつくだろう」と森保一監督が想定していた守備ラインが、すぐに落ち着きを取り戻せたこと。この試合の出場そのものも、たくさんの経験値を選手にもたらしたことだろう。

 また両ウイングの突破力がウルグアイ相手にも十分通用したため、両サイドをワイドに張らせて「ピン留め」するという選択肢が持てることが分かったこと。相手にボールを奪われた後にどう守るかという疑問はあるが、日本の強みは生かせそうだ。

 采配の精度は高かった。伊東純也と上田綺世を投入してすぐにチャンスが生まれ、西村拓真は投入後1分で同点ゴールを生んだ。森保監督の試合の波の読み方は見事だったと言える。

 選手個人で言えば、この試合で一番大きく評価を上げたのは菅原由勢になるのではないか。パスの精度が素晴らしく、FWが信じて走れば合わせられるだろうという期待感が持てた。

 そしてその他にも多くの細かい課題が見つかったことが一番の成果と言える。2026年アメリカ・カナダ・メキシコワールドカップで躍進するための活動は始まったばかり。本大会を想定した場合、ワールドカップで2度の優勝経験を持つ国から教えてもらえたことは大いに役立つはずだ。

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