■現在まで残るスタジアム
実は、ホテルも決めていませんでした。最初に訪れたホテルでは「外国人、ダメあるよ」と言われてしまいましたが、なんとか人民大厦というホテルを見つけて1泊しました。街の様子は香港そっくりでしたが、全体的に穏やかな印象でした。
街の中心の沙面を見学。かつては外国人租界だったところですから、西洋式の立派な古い建物が立ち並んでいます。越秀山公園の博物館(鎮海楼)を見に行ったら、裏手に山の傾斜を利用した古いスタジアムを発見。これが、当時広州市最大の越秀山体育場。現在も広州城足球倶楽部(旧・広州富力)のホームとして使われているスタジアムです。
こうして1泊2日の広州観光を終えて、僕は翌日の午後、香港に戻りました。帰りは列車を利用しようと思って広州駅に行ったら、駅前広場には強盗犯などの犯罪者がトラックに乗せて連れてこられて、大勢の公衆の面前で批判されている光景を見かけました。「見せしめ」にするためなのでしょう。
深セン行きの硬座(二等車)の車内はほぼ満席。深セン駅前には大きなビルがあって、中で中国の出国、香港の入国手続きができます。そして、香港側の羅湖駅から電車に乗って香港市内に戻りました。
これが、僕にとって初めての中国での自由旅行。その後は、中国も自由に行き来できる時代になったのはご承知の通りです。