テクノロジーは、人間の生活に不可欠なものになっている。サッカーも、その例に漏れない。日常生活でもサッカーでも、大事なのはテクノロジーといかにうまく付き合うかである。正しい共存の方法を、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■戦場にもテクノロジー
ロシアによるウクライナ侵略戦争が始まって、間もなく1年が経過しようとしている。しかし、戦闘はますます激化し、終結の見通しが立たないどころか春には戦闘の激化が予想されている。
最近、国際的に注目を集めたのがドイツ製の戦車「レオパルト2」の供与問題だった。
ドイツ政府はウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が求めていた戦車供与に対して慎重な姿勢だったが、オラフ・ショルツ首相はついに戦車の供与を決断。報じられているところでは、ヨーロッパ各国やカナダからウクライナへ同型戦車100両以上が供与されることになった。また、アメリカも同国製の主力戦車「エイブラムス」を供与することになった。
だた、実際に各国の戦車がウクライナに配備されるのは数か月先となり、またウクライナ軍兵士に対する訓練にも数か月が必要と言われている
その他、アメリカは射程が150キロに達するロケット弾の供与を決めるなど、ウクライナ支援はいっそう強化されつつあるが、ウクライナが求めている戦闘機の供与は当面は行われそうもない。
西側各国が最新兵器の供与に慎重なのは、それがロシアを刺激して戦争をエスカレートさせる懸念があるからだし、同時に最新兵器をウクライナ軍が運用することが難しいと予想されるからでもある。
これまで旧ソ連製の兵器しか運用したことがなかったウクライナ軍が西側の最新の兵器システムを使いこなすのは難しい。また、最新式の兵器をどのように使うのかについて、ウクライナ政府は的確に判断する必要がある。