■目標は「無意識レベルでできるように」

 高井は、ラダーと呼ばれるハシゴのような形状をした器具の枠の中に足を規則正しく入れる、ステップワークを練習していた。足をどう動かすのかに慣れてしまえば問題ないのだろうが、高井のステップはたどたどしかった。自主練習が終わったあと、取材に応じた高井は、プレー中の一歩目を速くしたいと考えての練習だと説明する。

「一歩目があまり速く出ないので。その後は別に出るんですけど、一歩目がちょっと遅いので、そこを早くしたいというのでやっています」

 目標は「無意識レベルでできるように」なることで、ステップワーク自体は「今年やっていこうって決めた」ことだという。たどたどしいステップではあったが、練習することで確実に上達するものでもある。高井のステップワークがどう変化していくのか、楽しみにしたい。

【江藤高志】
えとう・たかし/大分県中津市出身。IT系出版社で雑誌や書籍などを編集していた1999年に、パラグアイで行われたコパ・アメリカを観戦。これを機にサッカーライターに転身した。当初は故郷のJ2クラブ、大分トリニータを取材。石崎信弘監督との縁もあり、2001年途中から川崎フロンターレの取材を開始した。15年から『川崎フットボールアディクト』を創刊し、編集長として運営。今に至る。

PHOTO GALLERY 全ての写真を見る
  1. 1
  2. 2