日本代表としての活躍へ期待が高まる日テレ・ベレーザFW植木理子の多彩な攻撃能力開花【皇后杯決勝における日本女子サッカーのチェックポイント】(1)の画像
日本代表としても活躍が期待できる植木理子 撮影:中地拓也

 皇后杯の決勝が行われ、日テレ・東京ヴェルディベレーザが2大会ぶりの優勝を果たした。INAC神戸レオネッサから4ゴールを奪って勝利したこの試合で見えてきた新たな潮流をサッカージャーナリスト・後藤健生がつづる。

■復活のベレーザ

 第44回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会は、1月28日に大阪のヨドコウ桜スタジアムで開催された決勝戦で、日テレ・東京ヴェルディベレーザがINAC神戸レオネッサに4対0で完勝。2年ぶり16回目の優勝を飾った。

 かつてなら当たり前だった「ベレーザの優勝」だが、2021年のWEリーグ発足以来、タイトルから遠ざかっていただけにベレーザの喜びも大きかったようだ。

 主力選手が国内外のクラブに流出して苦しんだ2年間だった。

 そして、ベレーザは今シーズンのWEリーグでも第8節終了時点で4位と低迷している。最大の原因は7試合でわずか11得点という「決定力不足」だった。テクニックに優れるベレーザは、どの試合でもボールを握る時間は長くなる。しかし、相手陣でボールを回す時間は長いものの、そこからゴール前に入っていくのが遅いため、なかなか決定機に結びつけられないでいたのだ。

 ところが、皇后杯ではその攻撃力が爆発した。

 WEリーグ勢が登場する4回戦(ラウンド16)から決勝戦までの4試合でなんと合計14ゴールも決めてみせたのだ。

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