2023年シーズン、Jリーグは改革へと動き出す。各クラブ、さらには日本サッカーの将来を大きく左右し得る変化がもたらされるのだ。だが、その明確な理由や是非については、まだ議論になっていない。Jリーグの進むべき道について、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■配分金の変更点
Jリーグのもう一つの改革のポイントは、Jリーグから各クラブへの配分金を「均等配分」中心から「結果配分」中心に変更することである。
Jリーグは加盟クラブに対しての配分金。これまでは、J1クラブへの配分金はJ2クラブへの配分金の2倍程度(J1が3億5000万円、J2が1億5000万円)だったのだが、それを段階的に5~6倍程度までJ1の配分比率を高めていく。そして、同一カテゴリーのクラブの間でも従来の「均等配分」ではなく、戦績やファンの拡大などの成果によって配分比率を変える「結果配分」にシフトさせていくというのだ。
要するに、戦力的、経営的に成功しているクラブには多くの配分金が与えられ、そうではないクラブには配分金が減らされるということになる。
つまり、強いクラブは多くの配分金を受け取って、それを使ってさらに強化を進めることができる。こうして、トップクラスのクラブは「ビッグクラブ化」していく。競争原理が強くなっていくということになる。