2023年の日本サッカーがスタートしている。元日恒例の天皇杯決勝はなかったが、大学サッカーの決勝が行われた。大学サッカーは、世界でも希有な日本の重要な選手育成システムにもなっている。その日本サッカー成長の「鍵」について、サッカージャーナリスト・後藤健生が大改革論を訴える。
■見どころ満載の決勝
さて、元日に国立競技場で行われた決勝戦は、後半のアディショナルタイムに桐蔭横浜大学の山田新が左サイドからドリブルで仕掛け、そのまま強烈なドライブシュートを決めて桐蔭横浜大学が3対2で競り勝った。新潟医療福祉大学が2度先行して2対1とリードして折り返したものの、後半は引きすぎてしまい、76分に同点に追いつかれ、そして終了直前に決勝ゴールを決められてしまったのだ。
決勝ゴールを決めた山田は、川崎フロンターレの下部組織出身で、2022年には特別指定選手として川崎に登録され、2023年には正式に川崎に入団することが決まっている。
桐蔭横浜大学は前半から優勢に試合を進めたが、23分にFKからつないで新潟医療福祉大学が先制する。左サイドでオナイウ情滋(オナイウ阿道の弟、2023年からベガルタ仙台)が強烈なシュートを放ち、DFがクリアしたところを田中将太が決めた。
しかし、桐蔭横浜大学も26分に右からのクロスを山田がオーバーヘッドシュート。これがクロスバーに当たったところを寺沼星文(水戸ホーリーホック入団)が決めて追いつく。すると、31分には新潟医療福祉大学がロングスローからつないでDFでキャプテンの二階堂正哉が決めて再びリードしていた。二階堂は青森山田高校出身で、YSCC横浜入団が内定している。
選手1人1人の個性もあり、山田のスーパープレーやフィジカルの強さを生かしたオナイウの突破力など見どころも満載のゲームだった。