年が変わっても、サッカーにオフはない。ワールドカップの熱が冷めないままに新年に入り、年明け早々にはJリーグのチームが始動する。日本代表の多数を占める海外組の選手たちは、シーズン真っただ中だ。2人の大ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生もスイッチオンのまま、サッカーの来し方行く末を語り尽くす。
■注目の年代別W杯
――2023年の最大の見どころは何になりますか。
後藤「年代別のワールドカップだよ。今回の日本代表で一番良かったのは、東京オリンピックの世代の選手たちがいっぱい出て活躍してくれたことでしょ。森保一監督が五輪に出たU-24代表チームと兼任してくれたからそういうチームができたけど、4年後のワールドカップに出る日本代表に、パリ五輪やそれより下の世代の選手がどれだけ入っていけるか。2023年のU-20、U-17のワールドカップが、大いに関係してくるよ」
大住「そうだよね。ワールドカップに直結すると、その世代の全員が意識しているだろうね。森保監督の続投は、オリンピックのチームに影響はあるかな。兼任というか、方針だとか」
後藤「2022年総括のオンライン会見でU-21の大岩剛監督は、フル代表とも他の年代の代表ともコミュニケーションは取っていくと言っていたけどね」
大住「強化にかける資金など、地元開催という特別な状況だった東京オリンピックと同じようにはチームづくりはできないかもしれない」
後藤「新型コロナでU-17やU-20のワールドカップが中止になって世界大会を経験できず、立ち上がりも遅くて時間がないという特殊な事情もある。だからこそ、U-17やU-20のワールドカップで世界を経験することが大事なわけだけど、今までより難しい点はたくさんあるよね。U-17の世界大会を経験できなかった現U-20の選手たちには、少しハンディになるよ」