フランス代表は、カタールワールドカップの裏側など大会を総括する動画を公開した。目にしたファンは、チームへの感謝を伝えると同時に共に前を見る決意を固めている。
カタール大会で、フランス代表はある権利を有した唯一のチームだった。Ｗ杯連覇を達成できるのは、前回ロシア大会を制したレ・ブルーの他にはいなかったのだ。
優勝候補の名に違わぬ戦いぶりだった。グループステージでは最終戦こそ落としたものの、首位通過。決勝トーナメントでも、フランス同様にタイトルを現実的な目標とするイングランド代表に競り勝つなど、２大会連続の決勝へと駒を進めた。
アルゼンチン代表に早々に２点を先行され、なかなかシュートにも持ち込めない苦しい展開だった。それでも、終盤にエースのキリアン・ムバッペが立て続けに２ゴールを奪って追いつき、延長戦でもリードを許しながらＰＫ戦へと引きずり込んだ。最終的にタイトルには手が届かなかったが、堂々たる戦いぶりだった。
そうした華やかな舞台の裏側を、フランス代表は今回、ツイッター公式アカウントで公開した。場面は、まさに“裏側”から始まる。準優勝となったものの、大会後にはパリの中心部であるコンコルド広場に多くの人が労いのために集まった。その様子を地上からとらえた画像や動画が報道されていたが、ここでは光に包まれる広場へと手を振るディディエ・デシャン監督や選手らを背後からとらえるシーンで、動画をスタートさせている。
大会に入ってから会見に臨む選手がいれば、バスの中では全員が集まって記念写真に収まっている。カタールに入ってからは、沿道で手を振る人々や、宿泊するホテル内で勝利を称えるファンが、選手たちを勇気づけていた。
会見では落ち着いて話す選手たちだが、練習場では鬼気迫る様子も見せる。足のアウトサイドにかけた強烈シュートが決まると、周囲から「ブラボー！」の声。一方で、勝利を喜ぶダンスの練習や、宿舎でゲームをして大騒ぎする姿、ピアノの連弾など、緊張とリラックスを繰り返しながら短期決戦を戦い抜いたことがうかがえる。
選手たちの試合での活躍を伝える写真と実況が試合の熱量を思い出させるが、決勝の後の選手たちは表彰台の上でうつむいている。それでも最後は、冒頭のシーンに「オレたちは戻ってくる」と端的にメッセージを記して締めくくっている。
