■段々深くなっていく東京の地下鉄
世界各国の地下鉄の思い出は、この「蹴球放浪記」でも何度か取り上げました。たとえば、第130回「運動神経が必要な高速エレベーター」の巻で取り上げたのは北朝鮮の首都、平壌(ピョンヤン)ご自慢の地下鉄道でした。
ロシア・モスクワの地下鉄と同様に壮麗な装飾の駅が有名で、また大変に地下深いところを走っていました。案内人(監視人)に聞くと、「市内を流れる大同江(テドンガン)の下を通すためです」というのですが、戦争が起こった時に地下退避所(シェルター)として使われることは明らかです。
そういえば、ドーハのメトロも意外に深いところを走っていましたね。
東京の地下鉄では、1927年に開通した銀座線や戦後初めての開通となった丸の内線などは比較的浅いところを走っているのですが、その後の路線は既存の路線の下を通さなければいけないので、だんだんと深いところを走るようになっています。
でも、ドーハの場合は最近まで地下鉄はなかったわけですから、そんな深いところを走らさなくてもいいはずですが、おそらく、砂漠地帯の海岸沿いは地盤が柔らかくて、そのため地盤の安定している深いところに建設したのではないでしょうか?