浦和レッズは、11月22日に行われた阿部勇樹さんの引退試合のハイライト動画を公開した。舞台裏も同時に明かされた動画は、1日足らずで1万回以上も再生されている。
阿部さんは、2007年にジェフユナイテッド千葉から浦和へと完全移籍。イングランドで海外でのプレーに挑戦した時期もあったものの、浦和で14シーズンもプレーした。J1制覇こそならなかったものの、2015年と2016年にはステージ優勝に貢献。2度のACL優勝も果たしている。
また、記録だけではなく、チームのために熱く戦う姿勢で、仲間からもファン・サポーターからも愛された。引退試合に多くの仲間が駆け付けたことが、その証だった。
浦和だけではなく、日本代表でもともにプレーした坪井慶介さんは「阿部くんのために、決まっていた仕事のスケジュールをわざわざずらして来ましたからね」と、にやり。長く一緒に戦ってきた仲間らしく、ACLの海外遠征では部屋を暗くして、「一緒にDVDで昆虫同士の戦いを見る」など、ふだんのプレーぶりからは想像もできないお茶目な素顔を暴露していた。やはり日本代表でのチームメイトだった玉田圭司さんも、マリオカードなど一緒にゲームをしていたことを明かしたが、どちらが強かったか問われると「駒野(友一)が弱かった」と、意外な答えを返して笑わせていた。
今シーズン限りでユニフォームを脱いだ中村俊輔も、日本代表でのエピソードを披露する。イビチャ・オシム監督の練習は複雑で、同指揮官をよく知る阿部さんに内容や目的を尋ねたという。すると、まさかの「阿部ちゃんも分かっていなかった」。他にも田中マルクス闘莉王さんや、今も浦和で戦い続ける西川周作らが、阿部さんについて語っていた。
試合の後半には、浦和のアカデミーでプレーする長男の湧心選手と、次男の涼雅くんが登場。2人はゴールも決めている。
試合後には、湧心選手がプレーのみならず人間としての成長も披露。「お父さんが現役の時に、オレがプロに行ってやりたかったですけど、こういう機会があって良かったです」としっかりとコメントを残すのみならず、弟にも発言を促す兄の姿も見せていた。