11月20日始まったカタールW杯もついにベスト4が決まった。残りは4試合と、4年に1度の祭典はいよいよ佳境に入りつつある。
そのW杯で、世間でなかなか知られていないスタジアムグルメにもスポットを当ててみたい。と言っても、普通のスタジアムグルメではない。“メディア用のスタグル”だ。
今大会で使用されたスタジアムは全部で8つある。そのすべてに、「メディアセンター」と呼ばれる報道陣が作業をするスペースがあり、そこには、「メディアカフェ」が併設されていた。長時間の仕事にも耐えられるよう、食事や軽食、飲み物などが売られているのだ。
そのメディアカフェはスタジアムによってメニューが違うのだが、カタールならではの定番と言えるのが「ビリヤニ」だ。ビリヤニとは、インドや中東、あるいはアフリカ北東部で食べられているスパイスの混ぜごはん。日本でもインド料理店に行くと置いてあることが多い。
ただ、日本で一般的に見られるビリヤニとは違って、カタールのそれは見た目がとても質素。一見すると、2、3色に彩られたインディカ米が盛られているだけなのだ。
初めて注文した際、一口食べてその味気のなさに「失敗した……」と思ったが、さにあらず。その中に、“隠しチキン”が埋もれているのだ。その隠しチキンはいわゆるカレールーをまとっており、それを混ぜて食べると格別の味になる。欧米のメディアの人もよく食べているところを見かけるほど、人気の一品だ。