【サッカー日本代表】城彰二が分析するスペイン代表戦と決勝トーナメント。「初戦から続いた日本の課題」「逆転のきっかけ」「クロアチアとの戦い方」について語るの画像
日本代表の堂安律と三笘薫 代表撮影JMPA/杉山拓也

 12月1日、日本代表スペイン代表と対戦。カタールワールドカップ(W杯)のグループE突破をかけた一戦で、強豪国を相手に2-1で逆転勝利を収めて決勝トーナメント進出を決めている。今回は、1998年のフランス大会にも出場した経験を持つ元日本代表FW城彰二氏にゲームを分析してもらった。

【プロフィール】城彰二 じょう・しょうじ 
1975年、北海道生まれ。鹿児島実業高校サッカー部を卒業後にジェフユナイテッド市原(現:ジェフユナイテッド市原・千葉)へ入団。デビュー戦から4試合連続ゴールを挙げるなど、ルーキーイヤーから大きな注目を浴びた。1996年のアトランタ五輪や1998年のフランスW杯では前線の主軸としてプレーし、日本代表としても豊富なキャリアを誇る。2006年に現役を退いてからは解説業を軸に活躍。2020年11月よりYouTubeで『JOチャンネル』を開設し、自身の経験をもとにした動画を配信するなど、多岐にわたる活動で日本サッカーの発展に貢献している。

■日本の課題と、逆転のきっかけ

 日本は5-4-1のシステムを選択し、前半を0-1で耐えた。そして後半の頭に2ゴールを奪い、そのまま2-1で逆転勝利。城氏は、0-1で終わった前半について、チームの課題が残っていたと分析する。

「あの展開は織り込み済みだと思ったんですけど、やはり日本代表の課題でもある“取りどころ”は定まっていませんでした。前田大然は前から行くけど、次の選手は上がってこないので。

 前半は堅くいきたいという思いがあったんでしょうけどね。DFラインは人数が余っているはずなのに、前から行けないという現象が起こっていました。

 初戦からそうだったんですけど、どこから奪いに行くのか、どこに入ったときにプレッシャーをかけるのかが全然見えないんです。そこは森保ジャパンの弱点になっていると思います」

 そして、後半に一挙2ゴールを奪って逆転に成功した要因については、以下のように語ってくれた。

「きっかけはやはり堂安と三笘の投入ですよね。攻撃の選手は、一発目のプレーをフィニッシュで終わりたいという意識が強いんです。そういった意味では、(堂安が)遠くからでもシュートを打ちにいった、あの気持ちがゴールにつながったと思います。あの1点が入った瞬間から流れが変わりましたもんね。

 逆に、スペインはスコアをひっくり返されてから慌てていましたよね。スペイン人にはああいう特徴があるんです。うまくいかなくなったときは焦りがすごい出るんですよね。前半には見られなかったようなミスが連続で続いて、リズムを崩していました」

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