■かみ合わなかった意図
――コスタリカも必死に守った、という感じではなかったのでしょうか。
後藤「最初はそういう気持ちだっただろうけど、やってみたら日本はそんなに激しく攻めてこないし、これならふだんどおりに試合ができるなと、だんだんと自信とリズムを取り戻していったんじゃないですか」
大住「日本の攻撃は、すごくテンポが遅かった。パスが入っていく場所が分かりやすかったので、球際ですごく強いコスタリカにボールを奪われていた。逆に日本が奪い切れずに相手にかっさらわれるという場面が、すごく多かったよね。もっとテンポを上げて、相手に予測させる隙を与えないような攻めができていれば、もう少し違う突破の形ができたんじゃないかと思うんだけど、攻めのギアがまったく上がらなかったね」
後藤「テンポを上げようとするとミスが起こって、そこで空回りしていたよね。コンビネーションが悪いのか、問題が何なのかは分からないけど」
大住「意図がかみ合わないシーンが、結構あったよね。一方は引いて受けようと思うのに、出し手は裏に蹴ったりすることが、すごく多かった。要するにチームとして機能していなかった。本当にサッカーって難しい競技で、ひとつ歯車がズレると芋づる式にズレていく。逆にひとつ合うとどんどんかみ合っていくんだけど、そのきっかけがなかったね。
遠藤航も随分疲れていたし、孤立していた。遠藤にボールが渡った時に、パスを受けようという人がいなかった。まあ、こうして悪いところは全部出したから、次は良いところが出るんじゃないの」