モンテディオ山形の下克上への新たな一歩だ。Ｊ１参入プレーオフ１回戦突破へと導くゴールに、称賛の声が多く寄せられている。
山形は３０日、ファジアーノ岡山とのプレーオフ１回戦に臨んだ。Ｊ２最終節で８位から６位へ浮上し、プレーオフ出場最後の１枠を逆転でつかみ取っていたのだ。
山形にとっては「４度目の正直」だった。今季、岡山とは通常ならばリーグ戦で２度の対戦であるところ、３度対戦。明らかな誤審があるとして再試合も戦ったのだが、そのいずれのゲームでも敗れていたのだ。岡山とのプレーオフでの対戦が決まると、ディサロ燦シルヴァーノは「男として４回も負けていられないので、必ず勝ちます」と決意を口にしていた。
その宣言を体現した。最終節でもゴールを決めていたディサロが、この大事な一戦でも大仕事。先制点となるゴールを決めたのだ。ゴールに至るまでのチームの一連のプレーも素晴らしかった。選手たちの頭の中に、共通した絵が描かれているかのようだった。
開始５分、サイドバックの半田陸は、前方にパスを出した後も足を止めずにポジションを前へと移す。戻ってきたボールはややずれたのだが、ポジションを修正する際にも半田は視線を前に向けていた。その先にあったのは、背番号１０の姿。一瞬手を上げた山田康太に対して、岡山の選手たちの間を縫うような１タッチの縦パスを送った。
慌てた岡山のＤＦが寄せてくるのだが、山田の思うつぼだった。山田と、前線のディサロのイメージがシンクロする。２人が同時に飛び出してきたＣＢの裏をディサロが突くと、山田が１タッチで２人のＣＢの間を通す。抜け出したディサロのシュートはＧＫに当たったものの、自ら押し込み貴重な先制点となった。
