■日本製バスの大改造
ただ、日本のバスをヤンゴンの街で使用するには重大な問題があります。それは、ミャンマーでは自動車は右側通行だということです。
左側通行の日本ではバスの運転席は右側にあり(いわゆる右ハンドル)、バスの乗降口は左側にあります。しかし、右側通行のミャンマーでは、歩道はバスの右側にあり、乗客は右側から乗ってくるのです。
さて、どうするか……。日本製の中古バスの右側の車体に思い切って大きな穴を開けて、そこに乗降口のドアを取り付けてしまうのです。不格好でも仕方ありません。で、もともと左側に付いていた乗降口は、バスの所有者に十分な資金があれば元の乗降口は塞いでそこにも椅子を取り付けるわけですが、改造資金がない場合は左側の乗降口もそのままにして走っています。
運転席もそう。ちゃんと左ハンドルに改造しているバスもありますが、右ハンドルのまま走っているバスもあります。右側通行のミャンマーの混雑した通りで、バスのような大型車両を右ハンドルのまま操縦するのは難しいことでしょうが……。
そういう意味では、右側通行の韓国製バスの方が使い勝手が良いはずですが、それでも日本製中古バスは大人気なのです。
発展途上国ではどこでも日本の中古の乗用車やトラックは数多く走っていますが、バスの中古車がこれだけたくさん走っているのを見たのはヤンゴンだけです。