まだ無名の21歳が、スターダムを駆けあがっていくかもしれない。スコットランドのクラブでプレーするMFの「スーパーゴール」が、100万再生に近づこうとしている。
「残念ながら、練習場でのゴールではプスカシュ賞は受賞できないんだよね」
年間最優秀ゴールであるプスカシュ賞を授与するFIFA(国際サッカー連盟)は、そんなキャプションとともに、あるゴールを引用ツイートした。
そのゴールは、イスラエルで生まれた。決めたのは、U-21アイルランド代表MFロス・ティアニーだ。
U-21アイルランド代表は、今月23日にホームでU-21イスラエル代表とU-21欧州選手権予選プレーオフ初戦を戦い、1-1で引き分けていた。雌雄を決する第2戦に臨むため、アウェイへと乗り込んできたトレーニンググラウンドで、ティアニーのゴールは決まった。
スタッフが上げるボールを、ティアニーはペナルティーアークの中で待つ。細かなステップでボールとのランデブーポイントを探りながら少し位置をずらすと、次の瞬間に思い切ってジャンプ。右足で完璧にとらえると、ボレーシュートはゴール左隅へと一直線。横っ飛びするGKの手の先で、ゴールネットが揺れた。天を指さしてティアニーが走り出すと、大興奮した仲間たちが歓声を上げながら続いた。
翌27日のセカンドレグへ向けて練習していたグラウンドは、まるで世界一を決めたかのような騒ぎになった。