サッカー日本代表のカタール・ワールドカップに臨むメンバー発表前、最後の準備が終わった。今回のドイツ遠征では、得るものも多かった。これまでの歩みから浮かび上がってきたチームの現在地、そして本大会への展望をベテランジャーナリストの大住良之と後藤健生が語り尽くした。
■三笘はジョーカーとして活きる
――他の選手はどうでしたか。
大住「三笘薫は先発で出すよりも、やはり交代で出す方がいいと感じたよね。あれだけのものを持っている選手が最後の10、15分で出てきたら相手は嫌だと思う。試合展開によるけど、押し込む試合はなかなかないだろうし。自陣からドリブルしたところで、相手にとっては何も怖くない。三笘らしいプレーは前半最後の1本だけだったね」
後藤「もうすでに対戦相手にも結構、三笘のプレーはバレちゃっているからね」
大住「あれだけできるという選手を、たとえバレていてもサブに持っているというのは、結構すごいことなんだよね。三笘が出て着たら、相手は気にしてサイドバックを代えるかもしれない。そうなったら相手の切り札を1人使えなくなるかもしれない。それから、田中はちょっとさびが出ている感じはした。前のように研ぎ澄まされた感覚じゃなくて、ちょっと反応が遅いんだよね。田中にしろ、柴崎岳にしろ、試合に出ていない選手は大変なんだなと思った」