選手と見る人の心を動かす「アメとムチ」!バレンシア・ガットゥーゾ監督の「超ハードモード」人心掌握の様子が「3万超」再生の絶賛の画像
選手時代から変わらぬどころか迫力を増しているガットゥーゾ 写真:ムツ・カワモリ/アフロ

 サッカーにおいて、監督に欠かせない素質とは何か。知識や戦術といった論理的なものはもちろんだが、選手の心を動かす力も必要だろう。バレンシアのジェンナーロ・ガットゥーゾ監督が、その力量の一端を見せている。

 選手時代、ミランではチャンピオンズリーグを2度制し、イタリア代表としてもワールドカップ優勝を経験した。だが、ガットゥーゾは高い技術や戦術眼といったものよりも、闘争心あふれるボール奪取といった面で評価された選手だった。その姿は、日本では「闘犬」などと紹介された。

 ミランで長くプレーしたが、最後はスイスのシオンでスパイクを脱いだ。そのシオンで選手兼監督として指導者の道へ入ったが、半年ももたずに解任の憂き目に遭っている。

 その後の歩みも、決して平たんな道を行くものではなかった。成績不振による解任、あるいはクラブとの衝突と、選手時代と変わらず、自分の本能を信じて熱く突き進んできた。これまでのところ、ナポリを率いて獲得したコッパ・イタリアが、指揮官として唯一のタイトルだ。

 だが、ほぼ途切れることなく指導者の道を進んできたことは、ガットゥーゾ自身の情熱と、彼の熱意に惹かれるクラブの存在を証明している。今シーズンからは、スペインのバレンシアに招かれている。

 今季のバレンシアは現在、リーグ戦6試合を終えて3勝3敗で9位につけている。悪くはない成績で、先週末もセルタに3-0で勝利している。

 それでも情熱的な指揮官は、満足などしてはならない、といった様子だ。ラ・リーガのツイッター公式アカウントは、その様子を逃さずとらえている。

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