サッカーの日本代表に続き、フットサルの日本代表が今月、ブラジル代表と対戦した。フットサル日本代表の2度の対戦で見えてきた「現在地」を、サッカージャーナリスト・後藤健生がつづる。
■完敗だった国内初陣
9月27日にクウェートで開幕する「AFCフットサル・アジアカップ」に臨むフットサル日本代表が、来日したブラジル代表と対戦して、2試合とも1対5というスコアで敗れた。昨年のワールドカップ終了後、木暮賢一郎監督が就任してから初めてとなる国内での親善試合は“完敗”に終わった。
第1戦の舞台は島根県松江市にある松江市総合体育館。島根県を舞台にサッカーやフットサルのあらゆるカテゴリーの日本代表が試合を行うのはこれが初めてだそうだ。
島根県は、現在までのところJリーグに参入したクラブはまだ一つも存在していない、いわゆる“サッカー後進県”。全国リーグ加盟チームとしては、JFLに所属している「FC神楽しまね」(昨年まで「松江シティFC」)とフットサルのFリーグ・ディビジョン2の「ポルセイド浜田」がある。
舞台となった松江市総合体育館は約3000人を収容する立派な施設で、バスケットボール・Bリーグの「島根スサノオマジック」のホームアリーナだ。Bリーグの島根は昨シーズン(2021/22シーズン)はチャンピオンシップ、セミファイナルに進出して島根県は大いに盛り上がったという。
もともと、島根県は雪国だけに屋内競技のバスケットボールは盛んな県だった。そういう意味では、同じ屋内競技であるフットサルが盛んになる条件はあるのかもしれず、初の代表戦はローカルメディアにも大きく取り上げられてそれなりに盛り上がった。